【書評】マンガーの投資術

 前書いた通り、あまりページ数があるわけでもなく、内容も難しいわけでも無いです。(深いですが)にも関わらず読むのに時間がかかったのは、知らず知らずの内に同じ所を何度も読んでいたからです。それだけ色々と考える本でした。また、定期的に読んでみたいとも思いました。
 
オススメ度・・・★★★★☆
 
オススメ度の意味

★☆☆☆☆・・・読む価値無し
★★☆☆☆・・・暇なら読んでも良い
★★★☆☆・・・興味があれば読んだ方が良い
★★★★☆・・・読んで欲しい
★★★★★・・・読むべき
 
 
■本書の構成

 バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の副会長であるチャーリー・マンガー氏の箴言(138個)を集め、その解説が併記されたものです。大きく4つのカテゴリに分かれており
 
 ①投資で成功する考え方
 ②企業、銀行、経済
 ③事業と投資に関する哲学
 ④人生、教育、幸福の追求についての助言
 
 となっています。同氏の物事に対する考え方がよく分かります。
 余程時間が無ければ同氏の箴言だけ読み、「へえ」「なるほど」と思うのも良いですが、バックグラウンドや真意も分かるので解説も読んだ方が良いです。
 また、巻末の山崎 元氏の解説により、さらに理解が深まるので、これも読む価値ありです。
 
 
■最重要キーワード「待つ」

 「待つ」という事の重要性が再三説かれています。
 要は、投資というのは時期が悪ければ(≒株価が高い時期は)何もしないのが正解なのです。
 
 しかし、一般的なファンドでは「待つ」という事は許されません。例えば5年間の期間があったとして「タイミングが悪かったので何にも投資していません。」では、投資としては正解であったとしても、商売としては当然不正解です。それが出来る、許されるというのはバークシャーの強みなのでしょう。

 そして、重要なポイントはこれが個人投資家なら誰でも可能であるという事です。
 
 とは言え「待つ」というのは生物としてかなり不自然な行動です。生物(人間含む)は何もしないということに耐えられないのです。そして、それを可能にするのが人間の知識や忍耐力なのでしょう。これは昨今流行りのHFT(※1)の対極と言っても良いでしょう。金融工学の最先端がマンガー氏やバフェット氏の対極にあるとは何とも皮肉な物です。

 ※1・・・Hyper Frequency Trading:超高頻度取引。コンピュータを使用して1秒間に数万回、数十万回の売買を繰り返す取引
 
 
■私が打たれた箴言

 題意の通りなら、特にPart4(人生、教育、幸福の追求についての助言)については、殆どくらい載せたいくらいですが、多くの人に読んで(解釈して)欲しいので、厳選に厳選し、衝撃を受けた箴言のベスト3を紹介します。

 ●第3位・・・「目覚めた時よりも少し賢くなっているように心がけて日々を過ごしなさい(中略)報われる日が来るはずだ」
 
 忙しさを言い訳に、全然知識を増やしてこなかった事を反省しました。
 そもそも私は所謂勉強が嫌いなうえ、少なくとも学校の勉強に対しては全く興味がありませんでした。その上面倒くさがりであり、やらなくても良い環境であれば、際限なくやらないタイプでした。だから大学受験という”最後”の勉強しなければならない時期を過ぎてから約15年。私は勉強らしい勉強を全くしてきませんでした。
 エビングハウスの忘却曲線を使うまでもなく、当時より確実に知識量は少ないだろう。ある意味20代前半で投機で数百万円を吹っ飛ばした時と同じショックを味わいました。
 
 
 ●第2位・・・「素晴らしい価格で売られている普通の会社より、普通の価格で売られている素晴らしい会社の方が良い」

 これは、実は聞いたことがある言葉でしたが、ずっとバフェット氏の言葉だと思っていました。今日のバークシャーを造った至言です。すっと割安株を追いかけて、適正価格になったら売る事を繰り返してたら、今日の超巨大なバークシャーを形成することはなかったでしょう。
 
 
 ●第1位・・・「自分が買おうと思わない物を売らない、尊敬しない人の為に働かない、一緒に仕事をして楽しい人とだけ働く」(抜粋)

 私はなぜアーリーリタイヤしたいのかを強烈に考えさせられました。私がしたい理由は、単純に「辛さから逃げたい」というだけです。
仕事止めて何かやりたいという積極的なアーリーリタイヤではありません。兎角今の苦しい境遇から逃げたいという消極的なアーリーリタイヤです。

 でも、職場が辛くなかったら、はっきり言って逃げる必要なんて全く無いのです。
 投資ブログ界においても、アーリーリタイヤを目標とする物が数多くあります。でもその理由は何でしょうか。積極的なアーリーリタイヤならもちろん今がどうだろうと、それを目指せば良いですが、消極的ならどうでしょうか。
 
 ところで、マンガー氏が言う職場というのは(私が所属する事が可能という意味で)存在するのでしょうか。あるから探せという意味なのか、無いなら造れという意味なのか・・・真意はもっと深い所にありそうです。
 
 
■理想の副○○とは何か

 以前、当ブログでも副○○については悪いイメージを持っている事を書きました。
 そして本書を読み、理想の副○○とはまさにマンガー氏とバフェット氏のように相互が補完し合いシナジーを出せるような組み合わせなんだなと、改めて思いました。これは上記の箴言第1位に該当する職場を探すよりも難しいかもしれませんね。
 
 
■改めてマンガー氏について

 御年93歳(1924生)。普通の同年代なら寝たきりか、良くても人生の最期を見つめながら十年一日の如く過ごしているか、それよりも他界している方が多いかもしれない。私の祖母もマンガー氏と同じ年齢なので、一般的なこの年代の人物とはどういう物か分かっているつもりです。言ったら悪いですが、老化とは人をこうも衰えさせるのかと悲しくなるくらいの変化です。
 
 しかし、このマンガー氏「60代の頃の自分よりも90代の今の方が優れている。」と断言しています。そしてバフェット氏に対しても「65歳くらいで投資家として格段に能力が向上した。」とも言っています。
それを可能としているのは膨大な読書と思考時間なのでしょう。

 人生100年と言われているこのご時世。高齢になっても自分の能力一本でやっていくというのは理想的な生き方と言えるのではないでしょうか。私も60年後にマンガー氏と同じ事を言っていたいものです。
 
 

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