【昔話】大損した日(その1)

前回の続き(かな?)

2008年7月

相場環境のおかげでもあったが、私のポートフォリオは塩漬け銘柄もそれほど増えずに、評価額は微増微減を繰り返していていた。
が、完全にこのようなダラダラした動きには完全に飽きており、そろそろ一発大きいのを当てたいと思っていた。そりゃそうだ、20代前半の男性がじーっと待っている事を中心とした作業に耐えられるワケも無かった。そしてそれを助長するかのようにマスコミではBNFやcisみたいな”化け物”、あるいは板読み・見せ板やティック抜きなどの手法を新世代の投資(家)として神のように扱っていた。

私もそのレベル(当時BNFが200億円、cisが50億円くらいだったと思う)は無理でも普通の20代が手にできないような資金を若い内に必ず手に出来ると本気で思っていた。ちなみに当時の証券口座への入金総額は100万円、株評価額115万円くらいであったように思う。新卒2年目で地方の中小企業に勤めている人間が全力で投資に資金をまわしてもそんなものである。

言うまでも無く、短期売買では企業の業績や割安割高なんてどうでも良く、ボラティリティ(値動きの大きさ)が全てである。日経225に採用されるような超大型株は1日に数%以上動くことは殆ど無い。逆にデイトレーダーの標的になっているような、中・小型の不安定な銘柄は10%近く動くのも珍しくなった。短期での儲けが欲しい私がそのような銘柄に傾倒していくのに時間はかからなかった。

その頃デイトレーダーを中心に流行っていた銘柄がアーバンコーポレイションという銘柄だった。かなり業績が悪く、ヤクザなどの曰く付きだったから流石に私も投資はしなかったがが注視はしていた。そしてある日、救済に近いニュース(実際には違うが当時の私はそう思った)を見たのをキッカケに当時保有していた全銘柄を売りこの銘柄に全資産を突っ込んだ。投資を長いことやっている人なら(あっ・・・)とここで思っただろう。

そう、この銘柄は同年8月13日に民事再生法を申請した。要するに破産である。私は職場から帰宅後にニュースを見て愕然とした。あの時の血の気が引いた感覚は今でも覚えている。その日は全株成行売り注文をして着替えも食事も入浴もせずにすぐに寝た。BNPパリバに騙された(詳しくはWikipedia参照)のも確かに事実だが、それで1円でも返ってくることなど当然無かった。

代償はあまりに大きすぎた。私は1日(破産申請翌日には値が付かなかったので正確には2日)で新卒時から必死に貯めていたお金を全て失ってしまった。

ただ、呆然とした。それだけだった。しかし不思議なものである。モニター上の数字が100万円減っても何の実感も沸かなかった。目の前にある100万円の札束を誰かに取られたら発狂するのだろうけど。

株を買えなくなったからというのもあるが、以後しばらく相場を見なくなった(だから上記のBNPパリバの件を知ったのもかなり後である)あんなに大好きだったのに、私にとって株式市場は壊れたオモチャになってしまった。

にほんブログ村 株ブログ 海外ETFへ

昔話
スポンサーリンク
いつきをフォローする
スポンサーリンク
米国ETF投資ログ

コメント