前回の調査(【調査】米国株取引における証券会社の選び方)で最重要項目の一つとして書いた手数料について、今回はこの手数料について深く掘り下げていきたいと思います。
具体的には、どれくらいの金額を一度に約定させるのが一番望ましいかについて調べていきます。ここで言う望ましいとは、もちろん手数料の割合が小さくなるという意味です。なお、以下全て2017年7月時点での話ですので、将来的には変わる可能性があります。というより、変わる可能性の方が高いでしょう。
まずは、主要3社の手数料体系を振り返ります。
■SBI・・・・・1取引あたり約定代金の 0.45%(税抜) 最低5ドル最高20ドル
■マネックス・・・1取引あたり約定代金の 0.45%(税抜) 最低5ドル最高20ドル
■楽天・・・・・・1取引につき25ドル(税抜)
注目すべき点は、手数料の上限(楽天は固定ですが)が各社あるということ、つまり当記事の結論は
約定代金は多額であるほど良い
完
これではあまりに投げやりなので、真面目にやります。もちろん「1回の約定数万ドル程度なんてあたりまえだろ。」という人にとっては上記の通りですがそれだけ資金が潤沢な人ばかりではないでしょう。
ここから下は万人向けの内容です。
まず、上記を元に金額ごとの手数料推移をグラフにしてみます。SBIとマネックスは手数料体系が同じなので一つにまとめています。ちなみに全て消費税(8%)込みです。
文章で見ても、そんなもんか、という感想くらいしかありませんが、グラフにするとイメージしやすくなったのではないでしょうか。このグラフから言えることがいくつかあります。
①楽天はどの約定代金においても手数料が高い
前回、楽天証券を選ぶ必要は全く無いと書きましたが、それを再現してしまいました。楽天証券ユーザの方や楽天証券自体を嫌っているわけではありません。単に事実を書いただけです。この事実を受け入れるか他社に代えるかしてください。
②手数料は常時比例するワケでは無い。
ここからはSBIとマネックスについてですが、最低・最高手数料が設定されているので、どの約定代金でも比例して手数料が決まるわけではありません。それを鑑みて、3つの状況によってさらに詳しく見ていきます。即ち、「手数料5ドル」、「手数料比例部分」、「手数料20ドル」の3パターンです。
ⅰ:手数料5ドル
(約定代金)× 0.0045(手数料) × 1.08(消費税) が5以下になるという場合です。
極論を言えば、約定代金が1ドルでも手数料は5ドルです。手数料が約定代金の5倍もかかるなんて勿体ないですよね。余程の理由があっても、こんな買い方は止めましょう。ちなみに、手数料が5ドルというのは
(約定代金) × 0.0045 × 1.08 ≦ 5 の状態ですので
(約定代金) ≦ 1,028.80・・・
約定代金が約1,028.80ドル以下の場合です。
ⅱ:手数料比例部分
(約定代金)× 0.0045(手数料) × 1.08(消費税) が5より大きく20より小さい状況です。
この間では手数料は約定代金の0.00486倍、即ち手数料割合は固定です。ⅰよりは手数料の割合も小さいので、この間であれば何ドルで買っても良いでしょう。具体的な約定代金としては、上記ⅰ、下記ⅲの間の金額となります。
ⅲ:手数料20ドル
最初に書きましたが、約定代金がある程度以上になれば、いくら高くても手数料は固定なので、約定代金が高ければ高いほど手数料の割合は下がります。約定代金が1万ドルでも、100万ドルでも手数料が同じという事です。ちなみに手数料が20ドルというのは
(約定代金) × 0.0045 × 1.08 ≧ 20 の状態ですので
(約定代金) ≧ 4115.23・・・
約定代金が約4,115.23ドル以上の場合です。
以上よりまとめると
1、楽天は手数料が高い
(以下SBI・マネックスについて)
2、約定代金が1,028.80ドル以下では約定代金が低くなるほど手数料の割合が高いので避けるべき
3、約定代金が1,028.80ドルより高く、同4,115.23ドルより低い場合は手数料割合が固定でかつ約定代金が低い場合よりも手数料割合が低いので手数料を特に気にする必要は無い。
4、約定代金が4,115.23ドル以上では約定代金が高くなるほど手数料の割合が低い
つまり当ブログの結論は、SBIかマネックスを使用し、資金があれば、4,115.23ドル以上約定させ、無いなら1,028.80ドル以上を約定させる。それ未満なら発注しない。
です。
ちなみに、私が偶数月末に20万円相当額を買っている理由もこれです。毎月10万円では手数料割合としてダメですし、4,5ヶ月貯めてから買うようでは然程分散にならないので、これで妥協しています。私が給料から捻出出来る金額など頑張って120万~130万円/年くらいです。そして定期的に買うとしたらいくらになるかを逆算した結果です。将来、収入や為替、あるいは料金体系が変われば、購入頻度や量も当然変わりますけどね。
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